今日は権利能力の終わりについて学んでいきます。
権利能力の終期
死亡
自然人は死亡により権利能力を失う。
その際、死亡者に帰属していた権利・義務は相続人に承継される。
同時死亡の推定
死亡した者が複数人の場合、その死亡先後が明らかでない時は、同時に死亡したものと推定される。その結果、同時死亡者間の相続は発生しない。
失踪宣告
不在者の生死が不明の場合に、不在者の死亡を擬制(みなす)する。
①普通失踪は7年間の期間満了の時に、失踪宣告をして、死亡とみなされる。
②特別失踪は危難が去った時に、失踪宣告をして、死亡とみなされる。
→死亡したものとみなされるので、相続が開始、また婚姻していた者は解消し、
その配偶者は再婚が可能になる。
失踪宣告の取り消し
・失踪宣告の効力を失わせるためには、家庭裁判所による失踪宣告の取り消しが必要となる。
・その効果として、生じた財産上、身分上の変動は、初めから無かったものとされる。
・例外として、失踪宣告後、取り消し前に”善意(知らなかった)でした行為”は効果を生じない。※この場合は当事者双方が善意であることを要する。
・返還すべき財産の範囲として、失踪の宣告によって財産を得たもの(B)は、その権利を失うが、善意の場合は現に利益を受けている限度(現存利益)においてのみ返還義務を負う。また、悪意者の場合は、利益の全てに利息をつけて返還しなければならない。
※現存利益とは借金の返済・生活費支払いなどで、つまりは”形を変えて自己の財産の減少を免れたという利益を受けている”ので返済の義務はあるが、遊行費などは無益に消費してしまえば利益が残らないので、返済の義務はない。